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フィクションなのかノンフィクションなのか... 想いが織り成すストーリーの世界
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掲載作品の紹介
●空色...愛色...(現在掲載中)
●愛色の彼方 (現在掲載中)

両作品共に、主人公の名前は同じですがストーリとしては全く別物です。
それぞれの世界が織り成す淡く切ない物語をどうぞお楽しみください。
プロフィール
HN:
葵 膤璃
性別:
女性
自己紹介:
Aoi Tuyuri
恋愛体質
本物の愛を探し求めて彷徨い続けています
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何度経験しても、慣れる事が無い事がある

その中でも、一番堪えるのは失恋
大好きな人との別れはいつだって辛くて淋しくて悲しい
もう数え切れないくらい経験しているのに、今でも耐えられないくらい辛くなる

戸田玲 24歳の夏

私は失恋した
大好きな彼は、仕事が忙しい働き盛りの27歳
淋しい想いもしたけれども、そんな頑張っている彼の事が大好きだった
仕事に一生懸命打ち込む彼を私は誰よりも誇りに思っていた

そんな彼から切り出された別れ話

頭の中は真っ白

彼は私が悪いんじゃないと繰り返した
そう、ただ仕事が忙しいだけなんだって
仕事が忙しいから恋愛にまで気が回らないって

私、待つ覚悟くらいあったよ?
何で勝手に結論を出すの?
相談してくれたら、何かが変わっていたかもしれないじゃない

だけど、彼の事が大好きだったから・・・
彼が決めた事なら仕方ないって思った
愛しているからこそ、身を引く事を決めたの

私も彼も悪くない
きっと、少しだけタイミングがずれてしまっただけ・・・

でも、まだ好き・・・大好き・・・

別れて3ヶ月が経とうとしていた
もう街は、秋色に染まり始めている
そんなセピア色の街を見て余計に切なくなるんだ
彼の事が恋しくなる

何故、あんなに愛しているのに離れなければいけなかったの・・・?

そう何度も問いかける
だけど、その答えは返って来る事は無い

今まで彼がいた右隣はカラッポな空間
妙に肌寒く感じる

もっと優しくしておけば良かった・・・
我侭言わなければ良かった・・・

毎日毎日、自分を責める私

傷は未だに乾かない・・・


携帯のアドレスは今も消せずにいる
彼へ時折、淋しさが募ってメールをしてまう
たまに返って来るメールが嬉しくて・・・
声が聞きたくなった夜も、彼は今まで通りに電話に出てくれる

「良い人作れよ」

そんな簡単に言わないで
一緒にいた2年の歴史をそんな一言で終わらせないで

私は今でもアナタが好きなの・・・
涙が止まらないの・・・
喪失感の大きさに立ち尽くしている

いつだって、アナタが中心だった
私の2年はアナタで一杯だったのよ

逢いたい・・・

だけど、逢えない現実に私の心はざわめき立つ

「泣き虫だな」

そう言って頭を撫でてくれたあの手が忘れられない
もう一度、頭を撫でてよ
私が泣き虫だって知っているじゃない

私は、彼とよく待ち合わせに使っていたカフェで毎日の様に思い出に浸っている

また彼が「待った?」って笑いながら来てくれる様な気がして
私は今でも当ての無い待ち合わせを続けている

どうしたら立ち直れるのかな・・・

今の私には成す術が無かった

私は知っている
恋に効く薬なんて、どこにも無いって事に

乾く事無く溢れる涙
冷めたカフェオレをじっと見つめる

こんなに辛い想いをするなら、出逢わなければ良かったとすら思ってしまう
だけど、出逢えなかったら私はきっと幸せな時間を知らなかった

今までの恋の傷を癒してくれた彼

この先もずっと一緒にいられるって信じていたんだよ


もう見る事の出来ない幸せな結末
私は見たかったんだ・・・

歪む視界を拭った瞬間
携帯の着信音が鳴る

彼からかと思って、携帯を手に取る
でも、着信音は友達のミユキからのモノだった

小さく溜息をついて肩を落とす

「もしもし・・・」

『もしもし??玲、今どこにいるの??』

張りのあるミユキの声がダイレクトに耳に飛び込んだ

「・・・例のカフェ」

私は蚊が鳴く様な声で答える

『・・・また、そんな所にいるの??』

ミユキは少し呆れた様な溜息をつく
しっかり者の玲は、竹を割った様な性格で私にとって頼りになる存在でありアドバイザーでもあった

『また、泣いているんでしょ??』

ミユキは優しく問いかける
そんな優しい声に私の心は緩んでしまう

『今からそっちに行くから、そこで大人しく待ってなさいね』

そう言って、ミユキは電話を切った
私が彼から別れを切り出され、泣き崩れている時もミユキはただ傍で話を聞いてくれていた

私がまだ立ち直れてない事を心配して、今もマメに電話をしてきてくれる

私は、携帯を鞄にしまうと深呼吸を軽くして姿勢を直す

いつまでも、こうしてはいられない

頭では解っているの
だけど、心が思う様にいかない

もう一度涙を拭って私は、窓から見える空を見上げた
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