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初めての電話から、2人は頻繁に電話で話す様になっていた
むしろ習慣になりつつあった
夜、悟からの電話は密かに玲にとっての楽しみとなっていた
お互い、言葉にはしなかったもののどこか恋人感覚に近いそんな気持ちを抱いていた
もしかしたら、まだ擬似恋愛に近いモノだったかもしれない
だけれども、着実に2人の心は惹かれ合っていた事は紛れもない事実であった
悟が関東へやってくる日が、近付いてくる
それと同時に2人が逢う日も近付いていた
玲は楽しみの思う反面、とてつもなく不安な気持ちを抱いていた
悟と共有する時間が楽しければ楽しい程、逢う事がプレッシャーになっていく
もし、逢ってこの楽しい時間がなくなってしまったら・・・
そう思うと不安で仕方なかったのだ
逢ってガッカリされたらどうしよう・・・
毎日、そんな不安な気持ちが玲の頭をかすめる
そしてついに、悟から1通のメールが届いた
“今から家を出て、岐阜の友達の家で合流して1泊して関東入りするよ”
ついに逢う日が目の前まで迫っていた
急に現実を突きつけられて玲は動揺する
逢いたくない訳じゃない
でも、今の関係を壊すのも怖い
急に不安が押し寄せてくる
それからと言うもの玲とKeiは毎日の様にチャットで話をするようになった
時には、まだ誰もいないチャットルームで2人だけで話す事もあった
とにかく話せば話す程、玲にとってKeiとの会話は楽しくて仕方ないモノになっていった
そんなある日
何気ない会話からKeiが言った
“俺、年に1度くらいは地元の方へ帰る事あるし年末とかは関東の友達と飲む事が多いんだよね”
そんな一言から機会があれば一緒に飲もうと言う話へ発展して行った
“同じ千葉なんやし、こんなに仲良く話してるから機会あれば1回飲みに行こうや!”
Keiの誘いに玲もノリ良く答えた
“良いね~良いね!じゃ機会があったら行こう!”
そうは言っても、お互いただのリップサービスに過ぎなかった
チャットのメンバーとリアルで会おうなんて、玲は少しも思ってもいなかったし
Keiだって、それに近い感覚だったはず
そもそも、いくら地元が千葉と言え滋賀と千葉の距離を越えて逢えるなんて想像もつかない
そんなノリのやり取りが、何回かされ
特に現実化する様子もなく過ぎて行った