忍者ブログ
フィクションなのかノンフィクションなのか... 想いが織り成すストーリーの世界
| Admin | Write | Comment |
掲載作品の紹介
●空色...愛色...(現在掲載中)
●愛色の彼方 (現在掲載中)

両作品共に、主人公の名前は同じですがストーリとしては全く別物です。
それぞれの世界が織り成す淡く切ない物語をどうぞお楽しみください。
プロフィール
HN:
葵 膤璃
性別:
女性
自己紹介:
Aoi Tuyuri
恋愛体質
本物の愛を探し求めて彷徨い続けています
カレンダー
03 2024/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30
カウンター
最新CM
[05/19 物書きネット]
最新TB
バーコード
ブログ内検索
アクセス解析
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

電車は秋葉原の駅で停車した


玲は小さく深呼吸をするとホームへ降り立つ

空はもう既に暗かった
12月の凛と張り詰めた冷たい空気が玲の頬を刺す

そして、もう一度小さく深呼吸をして玲は悟にメールをした

“もう着いたよ”

暫くして悟から返信が来る

“あともう少しで着く”

後数分後には悟に逢う事になるかと思うと、ありえない程に鼓動が早くなっていた

ちゃんと逢えるのかな・・・

そんな不安が玲の脳裏をかすめた
ここまで来たものの、それと同時に不安も募っていく

玲は今度は小さく溜息をついた

すると携帯が鳴る

“もう着いたよ。中央改札口の所にいるから”

悟からのメールだった

“今から行く”

玲はそうメールを返して悟が待つ中央改札口へ向う

エスカレーターで下へ降りて行く最中
何気なく後ろの方を向いた時、後ろに立っていた男と目が合った

玲は慌てて前を向く
改札で待っていると言うのだから悟がいるはずは無いが何となくキョロキョロ周りを見てしまう

エスカレーターを降りて、歩き出すと同時に声をかけられた

見ると先ほど目があった男が立っていた

道を聞かれるのかなと思った玲は歩調を緩める

「ねぇ、これから食事に行きませんか??」

男の一言に玲は一瞬頭の上にはてなマークが浮かんだ

「可愛いですね、食事しませんか?」

男は玲と並んで歩きながら執拗に食事に誘って来た

「いえ、これから約束があるので」

玲はそう言うと男を振り切ろうと歩調を速める
しかし、すぐには諦める様子のない男は歩調を玲に合わせて玲をぴったりマークする

「友達?」

玲はそんな質問に答える事なくさらに歩調を速めた

すると男は玲の前に立ちはだかると、ポケットに入っていたチラシの様なモノに手早く連絡先を書くとそれを手渡した

・・・と言うより押し付けたと言った方が正しいかもしれない

玲は思わず受け取ってしまう

「ここに連絡ください」

そう言って男は玲に微笑むと姿を消した

玲はその紙を丸めてとりあえず鞄にしまった
連絡をする気は当然無かったが、一応携帯の番号が書かれている為その場に捨てる事が出来なかったのだ

足早に玲は改札に繋がるエスカレーターを下る

エスカレーターを降りると改札の前にひとり、誰か立っていた

玲は1歩ずつ歩み寄る

次第に悟の姿がハッキリと玲の瞳に映し出されていく

周りの騒音が玲の耳から消え、ただ自分の鼓動の音だけが響いていた

PR

ついにその日が来た

やはり、気分は落ち着かない
ついつい予定よりも早く目が覚めてしまった

約束は19時

秋葉原で待ち合わせをしていた

玲は落ち着く事なくそわそわしていた
やはり、どうしても不安は拭いきれない
いくら画像を交換していたとしても、実際に逢えばお互い印象が違う可能性の方が大きい
文字と声だけでの付き合い
そんな関係があと数時間後にはリアルへと変わる

良く変わるのか悪く変わるのか・・・それは神のみが知る


玲はメイクを始める
やはりいつもより多少の気合は入るモノ
濃くなり過ぎず、それでもって華やかな印象を与えたい
ささやかな女心

アイシャドーはブラウンとパールホワイトをチョイスした
周りからの評判が良かった組み合わせをあえて選んだ

念入りにメイクが終わると髪をセットし着替える

家を出る時間になり、玲は高鳴る鼓動を抑えて駅へ向った



年末というだけあって電車は空いている
揺られながら玲は外の景色をぼんやり眺めていた

あと少しで悟に逢える
ドキドキする気持ちと不安な気持ちが交互に押し寄せてくる

逢わない方が良いかもしれない
だけど、逢ってみたい

玲の胸は今にもはち切れんばかりに高鳴っていた


目的の秋葉原へ電車は確実に近付いている
それと比例するかのように玲の鼓動は早く大きく高鳴っていた


Copyright c 空色...愛色...。。All Rights Reserved.
Powered by NinjaBlog / Material By 御伽草子 / Template by カキゴオリ☆
忍者ブログ [PR]