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仕事も恋愛も何もかも面白いくらい歯車が噛み合わない
そんな時は誰にでも必ずあるはず
玲もその内のひとりだった
光を見出す事が出来なかった恋愛に終止符を打ち
仕事でも、納得のいかない人事異動をさせられ
玲の心はすっかりささくれ立っていた
そんな毎日に嫌気を差したのか
それともそんなメリハリの無い自分にうんざりしたのか
玲は、仕事を辞めて毎日をただ意味もなく過ごしていた
特別、仕事に執着がある訳でもない
玲はいつでもそうやって、自分の居場所を探すかの様に職を転々としていた
とにかく暇だ
だけど、すぐに仕事をする気にもなれなかった
多少の蓄えはある
一月分の生活は何とかなるだろう
そんな玲は、フッと何かを思ったのかPCの前に座った
リアルの友達に会って話すのも正直気が乗らない
でも、誰かと繋がりたいとそんな一瞬の思いつきに押し上げられる様に玲はPCの電源を入れた
起動音が鳴り
PCの画面が立ち上がる
当てもなく検索サイトを開いたまま玲は少し考え込んだ
『大学時代はチャットに嵌っていたっけ…数年振りにやってみようかな』
そう思い立った玲は、検索ワードにチャットっと入力をし検索ボタンをクリックした
昔やっていたチャットはもう知っている人なんていないだろう
数え切れない検索結果を眺めながら、目に留まった一つのチャットサイトをクリックする
いくつかのチャット部屋が設けられていて、カテゴリーや地域毎に会話が出来る仕組みになっていた
とりあえず物は試しに、適当に入ってみる
そのチャット部屋には、既に何人かのメンバーがいた
玲が入ると、『こんにちは!』っと一斉に声がかかる
軽い自己紹介が終わると、雑談が始まった
“22歳なんて若いよね~良いな~>玲”
誰かが玲に話しかけてきた
“別にそんなに若くもないよ”
そんな他愛もない会話が続く
そして、メンバーの1人が玲に言った
“ここの部屋は夜の方がメンバーが多いし、盛り上がるから夜来て見ると良いよ”
今は仕事もしていないし、昼でも夜でもチャットは可能である
久し振りのチャットにすっかり玲は、嵌っていた
“そうなんだ!じゃ、また来るからよろしくね!”
そう返すと、玲はチャット部屋から抜けた
メンバーの雰囲気も良いこのチャットサイトをすっかり気に入った玲はお気に入りに登録をしてPCの電源を切った
まさか、このチャットサイトで人生で忘れられない出逢いをするなんて
今の玲には、知る余地も無かった