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フィクションなのかノンフィクションなのか... 想いが織り成すストーリーの世界
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掲載作品の紹介
●空色...愛色...(現在掲載中)
●愛色の彼方 (現在掲載中)

両作品共に、主人公の名前は同じですがストーリとしては全く別物です。
それぞれの世界が織り成す淡く切ない物語をどうぞお楽しみください。
プロフィール
HN:
葵 膤璃
性別:
女性
自己紹介:
Aoi Tuyuri
恋愛体質
本物の愛を探し求めて彷徨い続けています
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それからと言うもの玲とKeiは毎日の様にチャットで話をするようになった

時には、まだ誰もいないチャットルームで2人だけで話す事もあった
とにかく話せば話す程、玲にとってKeiとの会話は楽しくて仕方ないモノになっていった

そんなある日
何気ない会話からKeiが言った

“俺、年に1度くらいは地元の方へ帰る事あるし年末とかは関東の友達と飲む事が多いんだよね”

そんな一言から機会があれば一緒に飲もうと言う話へ発展して行った

“同じ千葉なんやし、こんなに仲良く話してるから機会あれば1回飲みに行こうや!”

Keiの誘いに玲もノリ良く答えた

“良いね~良いね!じゃ機会があったら行こう!”

そうは言っても、お互いただのリップサービスに過ぎなかった

チャットのメンバーとリアルで会おうなんて、玲は少しも思ってもいなかったし
Keiだって、それに近い感覚だったはず

そもそも、いくら地元が千葉と言え滋賀と千葉の距離を越えて逢えるなんて想像もつかない

そんなノリのやり取りが、何回かされ
特に現実化する様子もなく過ぎて行った


それから1ヶ月が経とうとした頃

現実化しないと思っていた話が、少しずつ具体的な形になろうとしていた

Keiから正式な誘いを玲は受ける事になる
世間は12月

相変わらず玲は仕事をしていなかった
そんな玲にKeiは話を切り出す

“俺、年末に関東の飲み会に参加する事になったからそっち行くんよ”

“だから、年末飲みに行こうか?”

すっかり冗談で終わっていたと思っていた玲は正直ビックリした
まさか、こんな形で現実化してくるとは思わなかったのだ

しかし、断る理由もない
仕事をしている訳でもないし
変に断って気まずくなるのも気が引けるし
何より、Keiに逢って見たいという好奇心もあった

“うん、良いよ”

玲はKeiの誘いに応じた

Keiの予定を考慮して、2人が逢う日は12月30日に決定した

2人の距離が驚く程、加速を増して接近して行く
知り合って半月くらいで、メッセンジャーのやり取りをする様になっていた

でも、それはチャットの延長戦という感覚に過ぎなかったのだ

ただ、玲の中でわずかな変化があった事も確かだった
毎日、顔を出す様になっていたチャットルームにKeiがいると妙に嬉しく感じた
逆に、いないと何とも言えず淋しく感じる

けれども、それは気の合う友達という感覚であって恋と呼べる程何か特別なモノがあった訳でもなかった

当の本人達はそこまで意識をしてはいなかったが、周りの他のメンバーがそんな2人を冷やかす事が多くなっていた
2人が話していると、誰もチャットに入ってこようとしない事もしばしばあった

チャットの中で、2人は恋人同然の扱いを受けていたのだ

その影響も少なからずあったのか
あっという間に逢う約束が決まってしまった

そして、折角逢うのだからと2人は初めて携帯のメアド交換をして携帯でやり取りをする様になり
そんな自然の流れのまま、お互いの画像を交換するまでの交流となった

玲は、精一杯写りの良い画像を選らんで送った
実際逢えば解るのだから、無駄な抵抗とは思いつつ
やはりそこは乙女心である

Keiは可愛いと褒めてくれたけれども
褒められると何だか当日逢うのが怖くなる
これもやはり乙女心なのだろうか

Keiからも画像は届いた

画像を見る前の何とも言えない緊張感

生理的に受け付けないタイプだったらどうする?
かすかな不安と期待が入り混じる

考えてみれば、まだ恋も始まっていないのだから無駄な考えの気もするが
玲は、覚悟を決めてKeiの画像を見た

最初の感想は・・・普通の人かな?
シャープな感じで、顔つきはキツめかな・・・??

タイプなのかタイプじゃないのか、その画像からではよく解らないが
でも、生理的に受け付けないタイプでは無さそうで安心した

PCの向こう側からKeiが不安そうに玲に感想を求めた

“どう??”

その緊張は、画面越しに伝わってくる
“男の人だぁ(笑)想像とはちょっと違ったかなぁ?”

玲の返答に痺れを切らしてKeiはダイレクトに問いかけた

“こっちは不安や・・・早く良いか悪いか感想を聞かせてくれ・・・”

そんなKeiがちょっと可愛く思える

“全然大丈夫だよ!”

玲の返答にちょっぴり疑い気味にKeiは念を押す

“ホンマに??”

“うんうん!私だって人の事言える様な人間じゃないしね!”

玲も力一杯、見えもしないのに頷いて見せる

顔を知ったお陰で、お互いの不安もいくらか和らいだ

この時からだろうか
少しずつお互いの中に何か特別なモノが芽生え始めたのは
それは確実に1日1日を積み重ねて
お互いの中で大きく成長を始める

だけど、それにまだ2人は気付く訳もなく意味の解らない不安と妙なトキメキが2人の間を行き来していた
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